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森のどうぶつとの付き合い方              3. ヒグマはヒグマ、キツネはキツネ 

2023年7月22日に配信したChatPot 1「森のどうぶつとの付き合い方:池田貴子さん」の内容をシリーズの記事としてお読みいただけるようになりました。

第3回は街に出てくるヒグマと街に住むキツネとの付き合い方の違いについて考えます。



街に出てくるヒグマの話

(⁎ᵕᴗᵕ⁎) 北海道ではキツネもそうなんですけれども、最近はヒグマが民家の近くに出て来ているという問題もよくニュースで見かけますよね。ヒグマは街に住んでいるわけではないですけれども、どうして出てくるのかということについて伺ってもよろしいでしょうか。


( ˆoˆ )/ はい。ヒグマはそうです。おっしゃる通り、さすがに街には住めなくて。

ヒグマはちゃんと山からやってくるんですけど。 札幌で山と街がもう近接していますよね。で、あの構造は昔からそうだったわけじゃなくて、やっぱり山と街の間には果樹園とか農地が昔はちゃんとあって、その緩衝帯になっていたのですよね。野生動物が直で街に出てこないようなクッションの役割を果たしてたんですけど。


やっぱり近年、離農する人も増えたりして、 農地が打ち捨てられるというか、私有地であったとしても使われなくなったりしてきていて。

耕作放棄地って言うんですけど、そういうところはもう人の手が入らないと、野生動物はもうすぐ入ってくるので。そのクッションがなくなった状態になってて。なので、山、いきなり街みたいな感じになって。 南区とか西区とかのあたりは 元々クマが住んでて全然おかしくない場所ですけど、山は。

ただ、街に出てきやすくなった理由は、そういうクッションがなくなったからっていう風に言われてます。


(⁎ᵕᴗᵕ⁎) なるほど。


( ˆoˆ )/ はい。ただ、街に出てきて、丘珠とかを走り回った事件。あれはまた事情が違って、あれは南区とかの個体群じゃなくて、石狩側の北東の個体群が降りてきたようで。あれはちょっとイレギュラーな。弱いオスだったり、弱い立場のクマが、強いオスのクマから逃れるために追われて来ることがあるそうですね。クマの数も増えているので。


(⁎ᵕᴗᵕ⁎) 増えているんですか。


( ˆoˆ )/ そう、増えているんですよね。やっぱり昔からクマは 脅威なので、クマ対策っていうのはちゃんとやられて、ヒグマ基本計画っていうのがあって、やられているんですけど、 その昔、30年前までは、春クマ駆除と言って、春の冬眠している穴から出るクマの所在を確認しておいて、寝込みを襲うじゃないですけど、春にちゃんとクマの数を駆除してですね、数を調節するっていう政策がなされていたんです。


けど、30年前はクマの数が激減したんですよ、その頃は。

なので、春グマ駆除をやめて、しばらくきていたんですけど、もうさすがにこんだけ増えているから、もう再開しようっていうことになって。 去年かな、一昨年かな、だったかな。一応、また始めているようですね。


(⁎ᵕᴗᵕ⁎) そうなんですね。始めているけれども、やっぱり今年すごく多いですよ。


( ˆoˆ )/ そうですね。


(⁎ᵕᴗᵕ⁎) それを上回るスピードで増えているっていうことなんですかね。


( ˆoˆ )/ もう増えて、今パンパンなんでしょうね。きっと環境が抱えられるクマの頭数をおそらく越えていてということなんだと思います。


どうぶつによって異なる付き合い方

(⁎ᵕᴗᵕ⁎) キツネもヒグマも人間も過ごしやすいところで、 どういう条件というか、どういうところなのかなっていうことを伺いたいんですけれども。

私たちはこう、何を目標にどういった街づくりをしていったらいいかっていうことについて伺ってもいいですか。


( ˆoˆ )/ 今ちょうどキツネとヒグマの話が出たので、ちょうどいい例だと思うんですけど、その動物の種類によって、こっちの心構えっていうのはけっこう変えておくべきで。 


キツネはもうアーバンフォックスとして定着してけっこう長くて。ヒグマほど、なんていうか、直接のアタックというか、攻撃してくる脅威ではないっていう部分がありますよね。

ただ、エキノコックスの感染のリスクはあるんですけど。 そうした場合は、街にはもういるんだけど、街にいる、その街の中で住み分けるっていう意識が必要かなと思います。

その街にやってきてしまったものは、もう代々街に住んでいるので、あちらさんも。それはなんか、ちょっとどいてくださいって言っても無理な話で。

だからってね、今度はキツネを駆除するのかって言うと、そこは法律上の問題も、動物愛護法っていう問題もありますし。

実は駆除しても、どうせ他所の縄張りから入ってくるだけなので、あまり根本的解決にならない。


それだったら、もうこれ以上人間の生活圏に呼び寄せないように、さっき言ったみたいに、「餌付けしない」とか、「ゴミの管理ちゃんとする」とか、「無意識的にでも呼び寄せない」ような、どういうことしたら来てしまうのかみたいなことをちょっと覚えとくみたいな、道民リテラシーみたいな感じで覚えとくっていうのが必要かなと思っています。


だから、もういるもの。キツネはもういるので、ちょっと諦めて、どう住分けるかを、街の中でどう住み分けるかという知識をつけるっていうのが大事かなっていうのと、 ヒグマみたいな街に住んでいるわけではなくて、街にやってきてしまうようになっている動物に関しては、行政でしかできないような大まかな個体数の管理っていうのは、必要で。


そこはちゃんと専門家がついてやっているんですけど。それで続けていく必要があるのと、普通の市民レベルでは、そうですね、難しいんですけど。

実はですね、餌やりをクマに対してしてなくても、クマが来ちゃうってこともあるので。

意図しない餌付けって言うんですけど、カモに餌やったのに 数時間後にはクマが来るみたいなことがあるんですよね。

だから、そう、やっぱり餌はやらない、どの動物に対しても餌は置いていかないっていうのが大事かな。

あとは、行政でやるようなヒグマの個体数管理とか、それも実は棲み分け、ゾーニングっていう概念があって。どのエリアまでなら、いても当たり前。で、こっちからここのエリアはいたらちょっと警戒する。警戒して、そっちからまだ立ち退かないようだったらどういう風にするみたいなフローチャート式に。


この春(2023年)にですね、ヒグマ基本計画っていうのが改訂されまして、そういうやっぱり棲み分けをシステマティックにやっていこうっていう動きが あるので、それをやるのは専門家だったり行政の人なんですけど、それを(私たちも)知っておくっていうのが大事かなって思います。


続きはこちらで聴くことができます。

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