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社会から見るミュージアム~万博のレガシーとして生まれたミュージアム~

4月13日に始まった大阪・関西万博。

北海道にいると始まるまでそれほど耳にすることもありませんでしたが、いざ始まるとニュースなどで見る機会も増え、SNSでは実際に訪れた人たちのレポートがたくさん上がっていますね。

万博は博物館とゆかりが深いのをご存じでしょうか。今回は、万博をはじめとした博覧会をきっかけにできた博物館をいくつかご紹介します。





万博とは?博覧会の基本


「万博」は「万国博覧会」の略称ですが、これは正式名称ではなく、正式には「国際博覧会」と呼ばれます。

今回の大阪・関西万博の正式名称は、「2025年日本国際博覧会」です。


この「国際博覧会(万博)」という名称は、フランス・パリに本部を置く博覧会国際事務局(BIE:Bureau International des Expositions)が承認した博覧会のみが名乗ることができます。国際博覧会は原則として5年に一度開催されます。

BIEが公認する博覧会には「国際博覧会」以外にも、特定の分野に絞って行われる「特別博」や「認定博」と呼ばれるものがあり、これまで日本で開催されたものとしては、1975年の沖縄国際海洋博覧会(沖縄海洋博)や、1990年の国際花と緑の博覧会(大阪花博)があります。


また今後の予定としては、2027年に横浜市で「国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」が開催されることが決まっています。


万博の起源は中世ヨーロッパに遡ると言われていますが、「国際博覧会」として初めて行われたのは1851年5月1日開幕のロンドン万博(ロンドン国際博覧会)です。この博覧会は、会期144日間で約600万人の入場者を集め、大成功を収めました。これを契機に、各国でも博覧会開催への機運が高まり、以後、世界各地でさまざまな博覧会が行われるようになりました。

ちなみに、大阪・関西万博の次に開催されるのは、2030年のサウジアラビア・リヤド万博に決定しています。



つくばエキスポセンター


1985年「人間・居住・環境と科学技術」をテーマに茨城県の筑波研究学園都市で「国際科学技術博覧会(科学万博-つくば'85)」が開催されました。

このときの第二会場に日本政府が出展した展示館「つくばエキスポセンター」を万博の翌年に科学館としてオープンしたのがつくばエキスポセンターです。

館内にはつくば万博で展示されてその後科学館でも20年稼働していたプラネタリウムなどが展示される「科学万博-つくば'85メモリアルゾーン」が設けられ、つくば万博のことを知ることができます。


国立国際美術館


大阪にある国立国際美術館は、1970年の日本万国博覧会に際して建設された万国博美術館を活用し、国内外の現代美術を中心とした作品を収集・保管・展示する施設として1977年に開館しました。元々は下記の国立民族学博物館同様、吹田市の万博記念公園内にありましたが、老朽化から2004年に現在の大阪・中之島に新築・移転され、展示室がすべて地下にある世界的にも珍しい美術館として有名です。


国立民族学博物館


「みんぱく」の愛称で知られる国立民族学博物館は、民族学・文化人類学を専門とする博物館です。構想自体は1935年に始まっており、万博のレガシーとして直接建てられたわけではありませんが、1970年の大阪万博終了後、跡地を記念公園として整備する際に中心施設のひとつとして建設され、1977年に吹田市の万博記念公園内に開館しました。


日本屈指の民族学・文化人類学の研究機関としても知られており、触れる展示を多く取り入れるほか、自動運転モビリティによる観覧が可能など、展示や鑑賞体験においても特徴的な取り組みを行っています。




このように万博をきっかけに開館したミュージアムは国内外にたくさんあります。今回の大阪・関西万博からももしかしたら後のミュージアムにつながる展示があるかもしれないと思うと、楽しみですね。

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