SciBacoニュースレター2026年7月
- Mineyo Iwase
- 35 分前
- 読了時間: 4分
先月、6月26日に開催された北海道大学 創基150周年記念事業 企画運営委員会主催の「人文社会学系スタートアップの現在地」のイベントに共同創業者の森沙耶が登壇しました。その時のディスカッションの内容をお伝えします。

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1.「人文社会学系スタートアップの現在地」参加報告
人文社会学系の研究を起点としたスタートアップがどのように研究を事業化=社会実装していくか、またスタートアップ間でどのように連携し事業を拡大・持続化できるかはサイバコにとって重要な課題です。どのような議論になるのか興味津々で参加しました。
登壇者は以下のとおりです。
・合同会社エゾリンク/風張 喜子 さん
・合同会社エ・バリュー/共同代表 佐々木 亨 さん
・株式会社サイバコ/森沙耶 (共同創業者 COO)
・株式会社TETSUGAKU/代表取締役 小林和也 さん・田口 茂 さん(取締役、最高哲学責任者(CPO)、北海道大学 大学院文学研究院 教授、人間知・脳・AI研究教育センター長)
・株式会社me.MORI/代表取締役 上田 裕文 さん(北海道大学 メディア・コミュニケーション研究院 教授)
そしてファシリテーターはTYPE3株式会社の滝田陽介さんです。
各企業の紹介の後に行われたディスカッションの内容をQ&A形式で整理しました。
Q1: 伴走支援において、最も難しいと感じられている点は何ですか?
A1: 最終的なアウトプット(リーフレットや記事など)に比べ、そこに至るまでの「一緒に考えるプロセス(伴走そのもの)」の価値をクライアントに納得してもらうことが一番の課題です。成果物という目に見える形になる前の、深いヒアリングや課題の掘り起こしの重要性が伝わりにくいというジレンマがあります。
Q2: 支援における「深いヒアリング」にはどのような効果がありますか?
A2: 「誰に何を届けるか」を徹底的に問い直すことで、クライアント自身も気づいていなかった「自分たちの中にある真の課題」や「本当にやりたかったこと」を浮き彫りにする効果があります。これにより、納得感を持って次のステップへ進むことが可能になります。
Q3: 人文社会学系の支援者の役割を例えるとどのようになりますか?
A3: 「お産婆さん(助産師)」に例えられます。
お母さん(クライアント)が子供(成果・アイデア)を産むのであり、支援者が直接産むわけではありません。
しかし、お産婆さんがいなければ子供が無事に生まれない(思考が腑に落ちない)可能性があるほど重要な役割です。
それにもかかわらず、直接の成果物ではないため「いてもいなくても同じ」と軽視されがちな現状を、変えていく必要があると考えています。
Q4: なぜ今、大学発の「人文社会学系スタートアップ」に可能性があるのでしょうか?
A4: 現代の複雑な社会課題(人口減少など)は、テクノロジーだけでは解決できず、人文社会学系のナレッジ(知見・対話・仕組みづくり)を組み合わせる必要があるからです。
「課題定義 ➔ 人文社会学系ナレッジによる解決」というフレームワークを構造化することで、新しいレイヤーのスタートアップとしての道筋を作れると考えられています。
Q5: サイエンスコミュニケーションにおける「価値」はどのように作られますか?
A5: 最初から明確な正解があるわけではなく、活動を通じて「輪郭のないものに、お互いに輪郭を作っていく」ようなプロセスで形作られます。クライアントに寄り添い、深くコミットしながら丁寧にコミュニケーションを取る過程そのものに本質的な価値があります。
Q6: 人文・社会課題解決の分野に対する、外部(金融・投資)の評価はどう変化していますか?
A6: 従来のIT中心の投資から、社会課題解決や財団などへ大きなお金が動き始めており、「時代が皆さんに追いついてきた」という感覚があります。グローバルおよび日本国内でも、この1年で環境が整いつつあり、新しいスタートアップ像としての活躍が期待されています。

このイベントの後の懇親会では、最初の想定とは違うビジネスモデルへのpivotや今後のコンテンツの発展方向、そしてネットワークの作り方についても話し合うことができ、充実した1日となりました。
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