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いまさら聞けない#3:サイエンスコミュニケーター

更新日:2023年10月2日







 

サイエンスコミュニケーターとは


サイエンスコミュニケーターとは、科学技術と社会をつなぐサイエンスコミュニケーションを実施する人材です。

科学技術に対する知識がありつつも、社会のニーズやコミュニケーションの手法についても理解し、適切なコミュニケーションの場が設定できたり、情報発信が行えるのが、サイエンスコミュニケーターです。


SciBacoの姉妹サイトである、サイエンスコミュニケーターのデータベースサイト、SciBaco.netには70名以上のサイエンスコミュニケーターが登録しています。





サイエンスコミュニケーターは、フリーで活躍しているだけでなく、企業や大学で研究や広報といった立場で働きながらもサイエンスコミュニケーションを実施しています。


広報やジャーナリストとはどう違うの?という質問もよくいただきますが、例えば大学で働くサイエンスコミュニケーターは、発信だけではなく対話や双方向性を重視しており、組織の利益よりも社会公益性に重きを置くことが指摘されています。


東岡達也(2019)大学におけるサイエンスコミュニケーションの役割 : インタビュー調査に基づくサイエンスコミュニケーターの役割認識に焦点をあてて	名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要 66(1)85-97	
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390853649525346944	

またジャーナリストとして活動するサイエンスコミュニケーターも、記者としての役割だけではなく、キュレーターや教育者、パイプ役といった多様な役割を担うことが明らかになっています。


Fahy, D., & Nisbet, M. C. (2011). The science journalist online: Shifting roles and emerging practices. Journalism, 12(7), 778–793. https://doi.org/10.1177/1464884911412697

サイエンスコミュニケーターになるには?


サイエンスコミュニケーターを認定する共通の資格試験のようなものはありません。ただ、サイエンスコミュニケーターを養成する講座は複数あります。


Scibaco.netの学べる組織を探すにまとまっています。

ぜひ、ご覧ください。


また、独自に資格認定をしている組織もあります。

日本サイエンスコミュニケーション協会は、サイエンスコミュニケーター資格認定制度を設けています。


国立科学博物館は複数の講座を受講した受講者に、国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータという認定を行っています。


ただ、サイエンスコミュニケーターは、文脈に応じて展開する能力であり、多様なニーズにこたえる幅広い応用力を求められます。また、後で紹介しますが、時代によってもニーズが変化します。そのため、認定試験のような形で資格化するのが難しいのです。


また、サイエンスコミュニケーターの採用は、まだまだ多くはありませんが、徐々にサイエンスコミュニケーターを雇用する企業、機関も増えてきています。


有名なのは、日本科学未来館の科学コミュニケーター採用です。

毎年一定人数の募集があります。


また大学や研究機関も、サイエンスコミュニケーターとしての採用があります。

研究機関専門のキャリア情報ポータルサイト、JREC-INをご覧ください。


フリーで活躍するサイエンスコミュニケーターもいます。北海道大学CoSTEPの講義では、毎年サイエンスコミュニケーターを講師として招聘しています。





拡大するサイエンスコミュニケーターの役割

日本のサイエンスコミュニケーションは時代によって変化しています。

5年ごとに設定される科学技術基本計画(第6期より科学技術・イノベーション基本計画)の中で、どのようにサイエンスコミュニケーションが表現されているのかは参考になります。


サイエンスコミュニケーションについて触れられたのは、2001年の第2期科学技術基本計画が始まりです。第2期の本文に「社会とのチャンネルの構築」が明記されました。

その内容は、情報発信が中心です。


科学技術の振興に当たっては、国民の理解増進に努める必要がある。このため、研究機関の公開や博物館・科学館等の機能の発揮を図るとともに、メディア等を通じて科学技術をわかりやすく伝える機会を拡充する。さらに、地域において、科学技術に関する事柄をわかりやすく解説するとともに、地域住民の科学技術に関する意見を科学技術に携わる者に伝達する役割を担う人材の養成・確保を促進する。

2006年から始まる第3期科学技術基本計画には、サイエンスコミュニケーターの養成が明記され、社会と科学を結ぶ担い手が明確になります。


(科学技術コミュニケーターの養成)  科学技術を一般国民に分かりやすく伝え、あるいは社会の問題意識を研究者・技術者の側にフィードバックするなど、研究者・技術者と社会との間のコミュニケーションを促進する役割を担う人材の養成や活躍を、地域レベルを含め推進する。具体的には、科学技術コミュニケーターを養成し、研究者のアウトリーチ活動の推進、科学館における展示企画者や解説者等の活躍の促進、国や公的研究機関の研究費や研究開発プロジェクトにおける科学技術コミュニケーション活動のための支出の確保等により、職業としても活躍できる場を創出・拡大する。

第4期科学技術基本計画は、当初、2011年3月中に取りまとめる予定でしたが、東日本大震災の発生を受けて、8月に内容を改定して発表されました。東日本大震災、その後の福島第一原子力発電所事故を受け、サイエンスコミュニケーションの在り方も変わりました。単に発信だけでなく、サイエンスコミュニケーションにリスクコミュニケーションや対話の要素が加わりました。


科学技術イノベーション政策を「社会及び公共のための政策」の一環と明確に位置付け、これを政策推進の基本として、社会と科学技術イノベーションの関係の深化に向けて、国民の政策過程への参画、リスクコミュニケーションも含めた科学技術コミュニケーション活動を一層促進する。また、政策の企画立案及び推進の各段階において、推進主体、目的、目標を明確化し、説明責任を強化するとともに、PDCAサイクルの確立に向けた取組を進める。 

研究者等と国民が互いに対話しながら、国民のニーズを研究者等が共有するための双方向コミュニケーション活動であるアウトリーチ活動を推進する。このため、競争的資金制度において、アウトリーチ活動への一定規模での支出を可能にする仕組みの導入を進める。 

2021年から始まり、現在も続いている第6期は、科学技術基本計画から科学技術・イノベーション基本計画と名称を変え、科学技術だけでなく、人文社会科学との接合も意識した政策立案が行われました。サイエンスコミュニケーションも、発信を超えて、対話、共創のコミュニケーションが謳われています。


国⺠に向けては、様々なメディアや共創の場等の活⽤により、多様なセクター間の対話と協働を促すなど、科学技術・イノベーションへの関⼼を不断に⾼めるための情報発信をはじめとする努⼒を継続し、市⺠参画による社会問題の解決やシチズンサイエンスを活性化させていく。 そして、各国・地域・国際機関等(EU、G7、OECD等)に向けて、この社会像を共有・連携していく。 ⾔い換えれば、時代の⼤きな流れである「デジタル化、データ連携・活⽤」を核とした、社会全体の再構築に取り組む中で、歴史的、⽂化的に⽇本⼈の中に内包されている、伝統的な価値観や他者への思いやりと共感の⾏動様式、さらには、信頼に基づいた共創といった要素を盛り込んだ未来像として、世界に提⽰すべきである。そして、この新たな社会モデルを⽤いて、価値観を共有する国々と連携し、安全・安⼼の確保と⼀⼈ひとりの多様な幸せ(well-being)の最⼤化につながる未来像を描いていく。

そのようにサイエンスコミュニケーションの活動が広がるとともに、サイエンスコミュニケーターの役割も拡大しています。文部科学省に設置された科学技術社会連携委員会が提言した「今後の科学コミュニケーションのあり方」においては,サイエンスコミュニケーターに求められる能力には専門的な情報の「知識翻訳機能」にとどまらず、専門家と市民をつなぐ「対話・調整機能」や、多様なステークホルダーとの「共創のためのコーディネーショ機能」があるとされています。


サイバコはこのように多様なサイエンスコミュニケーションのニーズに対応するために立ち上がった会社です。



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