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クマの祖先はジャイアントパンダ!?

更新日:4月1日


クマといえば、ヒグマを思い浮かべる人が多いのではないかと思います。例えば、北海道に生息するエゾヒグマのオスは身長約2m、体重約200kg、メスは身長約1.7m、体重約170kgで、中には体重が520kgオスの個体もいる大きな動物です。

そんなヒグマが愛くるしいジャイアントパンダと共通の祖先を持つということに少し違和感を持つかもしれません。



でもミトコンドリアDNAデータからクマ科は、ジャイアントパンダ亜科、メガネグマ亜科、クマ亜科の3つに分類することができ、およそ2000万年前にジャイアントパンダ亜科が分かれたとのこと。次に分かれたメガネグマ亜科の一種、現在も南アメリカに生息するメガネグマの顔を見ると、うなずくと思います1)


昨年6月、アライグマのような体格とネコのような爪をもち、カタツムリのような殻のある動物を食べ、湿地で木を登り降りしていたと思われる「Eoarctos vorax」という化石がクマの祖先だという論文が発表されました。この動物は子ネコカワウソクマとも呼ばれ、現在生息している動物を集めたような姿かたちをしていると思われているようです2)


生物の「形」を目印にすると、分類を間違えることがあります。例えば、イルカは哺乳類でサメは魚類なので、全く違う種なのですが、流線形の身体、黒い背中と白い腹の体色、ヒレのような手足など、そっくりです3)。他にも収斂進化と呼ばれるさまざまな似た者同士の生物がいます。最近は核DNAやミトコンドリアDNAを調べることで、その違いをはっきりと示すことができますが、ひと昔前までは多くの混乱がありました。


一見してわかるのは形なので、つい形で進化を追いかけがちですが、形態は進化とは関係なく、変わりやすいので、生存に必須の遺伝子に着目した方が、進化の道筋を間違えにくいと思われます。


生存に必須の遺伝子は、サバイバル能力に関係すると思われます。実はクマは最強のサバイバル能力を持つと言われています。例えば、クマの祖先はイヌやネコと同じ食肉目ですから肉食獣なのですが、雑食に適応できる歯を持っていたようです。そして氷河期に入り、食料が不足すると、ジャイアントパンダの祖先は竹、ナマケグマの祖先はシロアリを主食として消化できるようになり、生き残りました。

また、ホラアナグマは雑食性と冬眠という生理的能力持つことで氷河期を乗り切ったと言われます。このようなクマに特徴的な生理に関係する遺伝子を調べた方がより進化の道筋がわかるかもしれません。


氷河期を乗り切ったホラアナグマですが、現在は絶滅しています。ホラアナグマは自分が生まれた洞窟で冬眠するというこだわりがあって、何世代も同じ洞穴を使っていたそうです。そのため、洞窟に住むようになった初期のヒトと洞窟をめぐって競うことになり、さらに特定の季節に特定の洞窟に戻ってくるホラアナグマの習性が狩りを簡単にしたのではないかと考えられています。

一方、ヒグマも冬眠するのですが、ヒグマの場合、冬眠に使う洞窟の選び方が柔軟で、北海道に住むクマは風向きや日当たりなど考慮して自分で掘るそうです。なので、簡単には冬眠している巣穴を見つけられないとのこと。

この柔軟性の違いが、ホラアナグマは絶滅し、ヒグマは生き延びている要因の一つ考えられています1)


現在、地球温暖化が進み、種の生存が危ぶまれている生物が多くみられるようになりました。ツキノワグマ、ホッキョクグマ、ナマケグマ、マレーグマ、メガネグマ、ジャイアントパンダは絶滅危惧の危急種です。クマは総じて生態系のトップに位置していることから、その絶滅により生態系のバランスが崩れる可能性が高くなります。

生態系のバランスが崩れると地球全体の環境が大きく変わることになり、ヒトが住めなくなるかもしれません。


それを防ぐため、生物多様性の保全を目標としてクマを含む野生生物の生理・生態に関する保全生物学研究している研究者の一人に北海道大学の坪田先生4)がいます。しかし、研究者が少ないため、なかなか研究が進まないとのこと。坪田先生は仲間を増やそうと頑張っています。これについてはクマもヒトも生き続けられる環境を未来に! 地球温暖化とクマの生理・生態的研究 (scibaco.biz)をご覧ください。




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